三軒茶屋 とんき 三軒茶屋店

この日はちょっとした用事で三軒茶屋へ。

三軒茶屋、安くてウマい飲食店がたくさん有る街と聞いていますが、ごくたまにしか訪れない街なので、いざ食事をしようとするとどこの店に入ったら良いのか悩んでしまいます。

 

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しかしこの日はどの店で夕飯を頂くか、こころはきまっていたのです。

そのお店とはこちら。

 

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「とんき 三軒茶屋店」。

 

とんかつ好きの方なら、三軒茶屋で「とんき」と聞いて違和感を覚えたかもしれませんね。

「とんき」と言えば目黒のあの「とんき」ですよね。

 

しかし実は目黒の「とんき」から暖簾分けしたとんかつ店は東京だけでも駒込、高円寺、国分寺、そしてここ三軒茶屋と4店舗あるのです。

 

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暖簾をくぐると鉤の手のかたちの12席ほどのカウンター。

そしてカウンターの上には伏せられたガラスのコップのなかに爪楊枝。

目黒の「とんき」でおなじみの光景ですね。

 

「とんき 三軒茶屋店」の定食メニューは3種類。

  • ロースかつ定食(1,900円・税込)
  • ヒレかつ定食 (1,900円・税込)
  • 串かつ定食  (1,410円・税込)

シンプルで良いですな。

 

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ぼくのチョイスはこちら。

  • ロースかつ定食(1,900円・税込)

濃いめの揚げ色が付いた薄くカリッとした衣や、とんかつのカットの仕方は目黒の「とんき」で見慣れたビジュアルそのもの。

それでは、と頂いてみたのですが、味わいも目黒の「とんき」のとんかつを忠実に再現しているように感じました。

それ、暖簾分けなんだから当たり前じゃない?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、暖簾分けの店舗でもけっこう味わいって違うケースがあります(意図的に変化させている場合ももちろん有りますが)。

その点、こちらは目黒の「とんき」の味わいを求めて暖簾をくぐっても、きっと後悔することはないでしょう。

 

有名な自動車評論家である福野礼一郎さんが目黒の「とんき」について書いた名文がありまして、ちょっと引用してみます(出典:GENROQ 2020年12月号)。

 

 ご飯とキャベツのおかわりは絶妙のタイミングで聞かれる。(中略)

 食べ終わると新しいお茶とおしぼりが出て、おっといけね、忘れるとこだったと食後の薬を取り出すと、コップの水がとんと出る。

 とんかつだけが「とんき」じゃない。だから暖簾をくぐってネオンサインの目黒の街に戻ったとき「ああきてよかった、またこよう」と思う。(中略)

 あなたがこの記事を読んで「とんき」に行って「とんき」を食べてお気に召すかどうか、それはわからない。食べ物の好みはひとそれぞれ。だけどここのお客はみんな「とんき」を死ぬほど愛してる。今日も明日もあさっても昨日と同じように「とんき」があれば、あなたがどう思おうが私はまったく気にしない。

 

いや、ハードボイルド、かっこいいなあ。駆け出しのグルメライターには書けない文章だなあ。

 

あなたがこの記事を読んで「とんき」に行って「とんき」を食べ…?

「とんかつ」ではなく「とんき」を食べ…?

 

そうなんです、「とんき」のとんかつはとんかつであってとんかつにあらず。

独特の衣だったり揚げ加減だったり、さらに言うとお店のかたの気配り、心遣いもブレンドされて「とんき」と言う食べものなんですよね。

その真髄はこの三軒茶屋の「とんき」にも受け継がれていて、こちらの店舗では調理もサービスもおひとりでこなされていましたが、それでもカウンターのお客さんへの目配り気配り気持ちよく、そのあたりはさすが「とんき」の暖簾分けと言った感じでした。

 

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・店名   とんき 三軒茶屋店

・住所   東京都世田谷区太子堂4-6-2

      ホリエビル 1階

・電話   03-5430-2034

・備考   特になし。

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