この日は夕飯を食べに松戸まで。
人生初松戸。
松戸って柏のあたり?くらいの適当な認識しかなかったのですが、松戸って実は東京にメチャ近いんですね。江戸川をはさんで対岸は葛飾。
そんな松戸になにがあるのか。
グルメな友人に指定された場所は首都圏を中心に店舗を展開する激安スーパーマーケットの「ロピア」。
友人の情報によると「スーパーの奥に隠し扉があり、その扉を開けると『肉割烹』がある」と。
そんなわけで狐につままれた気持ちでスーパーに入ってみたのですが、スーパーの店内はいたってフツーの、まさにザ・スーパーマーケット。なのですよ。
飲食店らしきものは見当たりません。
「ロピア」のなかをしばし探検し…見つけました。
お!こいつがあやしいね!
あやしい。
看板こそ出ていませんがスーパーマーケットなのにミラーボールがぶら下がっている。
奥側から眺めるとこんな感じ。
ね、向こうはホントにフツーのスーパーマーケットでしょ?
と言うことで、この扉で正解。
扉を開けると、ここがスーパーマーケットのなかであることが俄かには信じられないようなゴージャスかつ瀟洒なインテリア。
炉窯が備え付けられた大きなキッチンを囲むようにカウンター席が広がります。
この肉割烹の名前は「窯焼き割烹 黒泉(くろせん)」。
なんでもニューヨークのスーパーマーケットのなかにあるレストラン「シェフズテーブル」にインスピレーションを受けてこんなスタイルの店舗をオープンさせたのだそうで。
「窯焼き割烹 黒泉(くろせん)」の料理は5,000円のおまかせコースのみ。
17時の会か、19時30分の会の予約制となります。
まずは食材の披露から。
- 北海道産、摩周湖和牛のヒレ
- 黒毛和牛のタン
- 富山県産ののどぐろ
- 天草産の鱧
- 北海道浜中産の雲丹
- フランス産のキャビア
こちらは野菜。
- 高知県産の米茄子
- 長野県産のズッキーニ
- オーストラリア産のグリーンアスパラガス
- 京都産の万願寺唐辛子
- 栃木県産の生椎茸
それではいよいよ料理のご紹介を。
まずは黒毛和牛の3種盛りからです。
手前から時計回りにカイノミ、トモサンカク、サーロインの3種。
予想よりさっぱりとした味わいで、きめ細やかな肉質と上品なサシの風味が印象的です。
続いては黒毛和牛の牛タン。
立派な厚さのタンは、表面はカリッと香ばしく、噛み締めるとタンらしい味わいがジュワッと広がる上等なもの。
タン好きにはたまりません。
そのまま頂いても良いですし、添えられた山わさびを使っても良いですね。
鮪出汁の椀。
椀だねは牛テール、蟹の湯葉包、そして「ばちこ」。
「ばちこ」はなまこの卵巣で高級食材ですね。
途中で湯葉包をほどくと、甲殻類の香りが椀ぜんたいに拡がり「味変」となる仕掛けです。
お次はスタッフが冗談めかして「バブル寿司」と紹介してくれた料理。
和牛、雲丹、キャビア、おまけに金箔のコンビネーションは眼にも舌にも豪華なひと品。
キャビアは左がイタリア産、右がフランス産とのこと。
松戸、バブルの風が吹いていますね。
ズッキーニと米茄子のチーズ包み。
チーズは北イタリアロンバルディア地方に伝わる「ラスパドゥーラ」と言う技法で極めて薄くスライスされています。
このふんわりひらひらした食感が口に楽しいですね。これ、はやりそうです。
チーズのほのかな塩味が野菜の甘さを際立たせ、シンプルですが上等なひと皿。
さて、いよいよ前半のハイライトです。
こちらは摩周湖和牛ヒレ肉の炉窯焼き。
右手の部位はシャトーブリアン。
左手の部位はテート。
シャトーブリアンは説明するまでもなく、高級かつ希少部位の代名詞的なヒレ肉ですね。
きめ細かでしなやかな肉質、そして味わいは非常にすっきりとして上品。
炉窯で火入れされることにより閉じ込められたジューシーな肉汁が、噛み締めるごとに舌の上で溢れ出す至福の時間です。
もう一つの部位、テートは同じヒレ肉でもシャトーブリアンより前側に位置する部位。
ランク的にはシャトーブリアンより落ちると言われますが、こちらは赤身の味わいが濃く、充実感のある味わい。
個人的にはこのテート、とても印象がよかったですね。