LifeTeriaブログ in 北海道(その2)

めっちゃいい顔(笑)。

昨日のブログに続き北海道日記その2です。

 

金曜日は早朝5時半起床。そうなんです、早起きして行きたい場所があるのです。

それはニセコ。

午後一番の飛行機で東京に帰らなくてはいけない友人といっしょに、北海道らしい雄大な風景と、ちょっとぜいたくな朝食を楽しもうというプランです。

 

札幌からニセコまでは約100kmの道程。100kmと言うとけっこうな距離に思われるかもしれませんが、信号が少なく交通量も少ない北海道であれば、それこそ「朝飯前」のドライブコースです。

7月としてはやや多めの湿気を含んだ空気のために羊蹄山の姿が霞みがちなのが残念ですが、それでも緑あざやかな美しい田園風景と、涼しい朝の空気で北海道気分満喫です。

約2時間のドライブののちに到着したのは「ニセコノーザンリゾート・アンヌプリ」。

もともとは「ホテル日航アンヌプリ」という名称でしたが、現在は営業譲渡されて名称からも「日航」の名前は消えてしまいました。

 

朝食は2階のダイニング「エクラ」でブッフェを。

夏のニセコの風景が窓の外に広がる明るいダイニングで楽しむ朝食は、もちろん北海道産の食材がふんだんに盛り込まれたもの。

 

札幌から2時間かけて食べる朝食。お金では買えない贅沢な朝食でした。

そしてこの日の夕食も、行きたい場所があったのです。

 

いまから20年ほど前、ぼくが23歳から29歳まで、5年半ほどを過ごした街が「平岸」という街でした。

もともと酒を呑めないぼくは、そのころ、仕事帰りに「ご飯」を食べられるお店を探していたのですが、「平岸」に住み始め、ほどなくして「和松庵」というお店を見つけました。

 

このお店は居酒屋かな…?オレ酒呑まないから、居酒屋より定食屋さんみたいな感じがいいんだけどな…。

しばらく暖簾の前で逡巡しましたが、意を決して暖簾をくぐると、店内は大勢のお客さん。そしてカウンターの中には品の良い女将さん。

 

「定食みたいなものってありますか?」

「できますよ」

 

それが23歳の秋のことでした。

そして、平岸を離れるまでの5年半ほどの間、ほぼ週4〜週5くらいのペースで「和松庵」で夕飯を食べることになったのです。

 

いまよりずっとずっとマジメに働いていて、帰宅が深夜になることも多かったそのころ、朝まで営業している「和松庵」の存在はぼくにとってほんとうにありがたいものでした。

 

真冬の23時過ぎ。凍てつく雪道を滑らないように気をつけながら走るように足早に家路に向かい、「和松庵」の暖簾をくぐりホカホカのご飯と味噌汁で身体を温める。それはどんな豪華な食事よりも身体にうれしいごちそうなのでした。

 

実は昨日「SIO」ですばらしいフレンチを食べ(そしてデザートとして「すすきの」で味噌ラーメンを食べたあと 笑)、23時過ぎに「和松庵」を訪問したのです。

 

女将さんは果たして、ぼくのことを覚えてくれているかな…。もう15年以上もご無沙汰しているのです。忘れられていたらちょっと悲しいけど。

 

おそるおそる扉を開けると…。

少しお年を召してはいましたが、女将さんは昔と変わらず元気に営業中なのでした。

そして、うれしいことに、ちゃんとぼくのことを覚えてくれていたのです。

 

その日はフレンチ+ラーメンで満腹度数200%だったので、翌日に再訪することを伝えて「和松庵」を辞し、そしてこの夜、約15年ぶりに「和松庵」の定食を頂くことに。

 

・日替り定食(750円)

 

そう、ぼくはたいていは入口に近い、カウンターの角に座って「日替り定食」を食べていたのです。

主菜と小鉢がたいてい2つくらい付いた定食が当時は680円。これに納豆やきんぴらごぼうを付けたりすることもありました

 

この日は紅鮭の焼魚が「日替り定食」でした。

 

「今日は魚の定食にしようと思って。紅鮭ならサイキさんもお好きだしいいかな、と思って」

 

驚くべきことに、女将さんはぼくの好みまで覚えていてくれたのです。

ほんとうに、ほんとうにひさしぶりに頂く「和松庵」の日替り定食は、当時と同じくすべての料理に愛情がこもった、すばらしい定食でした。

当時のぼくは、こんなにウマい料理を毎日食べていたんだなあ。

 

定食を食べ終えてからしばし昔話に花を咲かせ、ほかのお客さんで混み合ってきた頃合いでお店を辞そうとすると。

 

「サイキさん来るならと思って夕張メロンを買っておいたの」

 

…15年以上もご無沙汰していたのに、こんなに歓迎してもらえるなんて。ぼくは甘い甘いメロンを頂きながら少し感動してしまいました。

 

女将さんはことしで73歳。

いまも年中無休、昼どきは支店に立ち、夕方から朝5時まではこの平岸の店舗を切り盛りしているそうです。いったいいつ休んでいるんでしょうか。

女将さんご自身はあと何年できるか、と笑っていましたが、身体に気をつけて、いつまでも営業してほしいお店です。

 

また行かなきゃ。次回は来年かな?