「五体不満足」の著者でタレントの乙武洋匡氏が、銀座のイタリアンに入店できなかったという事件が、ことのほか大きなニュースになっています。
・釣り解説"乙武洋匡さん、銀座の「TRATTORIA GANZO」に「車椅子だから」と入店拒否される"
ヒマ人のオレ、ツイートでことの経緯を知ることにしました。
今日は、銀座で夕食のはずだった。「TRATTORIA GANZO」というイタリアンが評判よさそうだったので、楽しみに予約しておいた。が、到着してみると、車いすだからと入店拒否された。「車いすなら、事前に言っておくのが常識だ」「ほかのお客様の迷惑になる」――こんな経験は初めてだ。
— 乙武 洋匡さん (@h_ototake) 2013年5月18日
お店はビルの2階。エレベーターはあるが、2階には止まらない仕組みだという。「それはホームページにも書いてあるんだけどね」――ぶっきらぼうに言う店主。「ちょっと下まで降りてきて、抱えていただくことは…」「忙しいから無理」「……」「これがうちのスタイルなんでね」以上、銀座での屈辱。
— 乙武 洋匡さん (@h_ototake) 2013年5月18日
このあともツイートは続くんですが、最初のツイートで店名を晒していることから、お店にも抗議の電話などがあったようですね。
結局は「TRATTORIA GANZO」のオーナーシェフ氏が謝罪するかたちで収束にむかったわけですが、やや事態が落ち着きを見せ始めると、これ、乙武氏やり過ぎじゃない?という声がこんどは大きくなっているようです。
この「TRATTORIA GANZO」、ぼく自身は訪問したことがないのですが、実際に食事をしたかたに聞くと、けっこう評判がいいので、ちょっと興味を持っていたお店なんです。
状況を整理すると、
・店舗が入っているビルのエレベータは店舗のある2階には止まらない
(これは店舗のウェブサイトには記載していある)
・店舗はシェフとサービススタッフの2名で切り盛りしている
・乙武氏は予約時に車椅子を使用していることは伝えていない
・乙武氏のグループは乙武氏+1名、合計2名で来店
・当時店内はほかのお客さんもいて、忙しい時間帯だった
・来店時に、階段を使って2階にあげてほしいと店舗側に要求したが、シェフから断られた
・乙武氏と車椅子を合わせると80kg以上はある
…といったところですが、これらの状況から判断して、みなさんはどう思われますか。
ぼくの意見です。
乙武氏にはたいへん申し訳ないのですが、これはね、ちょっとこどもじみていますよ。
もちろん。もちろんですよ、すべての飲食店がバリアフリーになればいちばんいいんです。
でも、でもですよ、銀座の古くからあるビル。それこそこのビルのように、エレベーターが完備していなかったり、また店内も狭く車椅子では不自由なお店もたくさんあるわけです。現実問題としてね。
それを(おそらく)知っていて、車椅子と事前に連絡しなくても、ちゃんと対応してくれよ、と彼は言っているわけです。
ぼくが乙武氏の立場なら、予約時にひと言確認すると思いますけどね。だっていまどき、グルメサイトやお店のウェブサイトでその店舗のロケーションや規模はいくらでも調べることができるわけです。
オーナーシェフとサービススタッフ1名でがんばっているお店で、それも忙しい時間帯に、彼のような要求をすることはぼくにはできないなあ。
もっとシビアなことを言うと、今回の件は、彼がタレントとして生きていくうえでの格好のネタになったわけですよね。炎上すればするほど、メディアにも採り上げられますから。
でも、今回はちょっとその焚き付け方に無理があって、逆に彼も叩かれてしまった、と。こういう構図なのかな、と思います。
最初のツイートであえて店舗名を晒すのも、シェフのことばをだいぶ改変して伝えているのも、彼なりの悪意…と言ったら言い過ぎですが、彼なりのしたたかさを感じますね。
一連の騒動大変申し訳ありませんでした、ganzo シェフ高田 晋一です。私が土曜の夜、乙武様とお断りの事情をお話した時の事が少し違うので説明させていただきます。私は終始敬語で対応させていただきました。とうちのスタイルとは申してなく2階はエレベーターが止まらなく
— 高田晋一( Ganzo)さん (@takosin) 2013年5月20日
店内は段差があり車椅子の方は事前に御連絡がないとご案内が難しいと伝えましたが「うちのスタイルなんでね」と言ってはない事です。最後にお断りしてしまい申し訳ありませんでしたと頭を下げ謝罪しました。ツイッターは自由で楽しい情報源として使っていましたが、私の過去の行き過ぎてしまった
— 高田晋一( Ganzo)さん (@takosin) 2013年5月20日
以前にもいちどこのブログで採り上げたことがありますが、直木賞作家の故・山口瞳氏が「酒場」について書いた文章をご紹介します。ある年の成人式に、サントリーの広告として新成人に送った文章です。
今年は酒場のことを教えよう。
酒場へ行くなら、超一流の酒場へ行き給え。安っぽい酒場で飲むな!超一流というのは「いわゆる銀座の高級酒場」のことではない。
まず、カウンターのない酒場は失格だ。できれば、カウンターがあって、そこで立って飲ませるような酒場を選び給え。若いんだから立って飲め。
六時開店、十一時閉店という店がいい。終電までに帰れ。タクシーで帰宅するのは二十年早い。 ママさんが美人でスター気取りであるような店は避け給え。バーテンダーは無口なのがいい。「金を払っているのだから何をしてもいい」と思っている客は最低だ。だけど超一流の酒場へ行っても怖気づくな。なぜならば、君は「金を払っている客」なのだから……。正々堂々、平常心でいけ!目立ちたい一心で、隣の客に話しかけたりするな。
キチンと飲み、キチンと勘定を払い、キチンと帰るのを三度続ければ、きみは、もう、超一流の酒場の常連だ。(以下略)
「『金を払っているのだから何をしてもいい』と思っている客は最低だ。だけど超一流の酒場へ行っても怖気づくな。なぜならば、君は『金を払っている客』なのだから……」
お店と客はこうありたいですね。
はい、雨のそぼ降る月曜日の夜もLifeTeriaブログの時間です。
本日は食べ友より目黒の「回し寿司 活 目黒店」に集合せよとの指令が。
なんでいきなり目黒の寿司屋なのさ?
「傘持っていないから山手線直結の店で濡れない店希望」。
…そういうことね。普段傘持たないオレでさえ傘持っているのに、なんでこんな雨の日に傘ないのさー!?
こちらのお店は「美登利寿司」がプロデュースする回転寿司屋さん。いっつも混んでますよね。今夜も20分待ちでした。
味はですね、味はですね、杏仁豆腐がいちばんおいしかった…かな?
でも腹いっぱい食べて2,000円弱。安いですね。
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