信州を旅していたのですが辺鄙なところを選んで宿泊していて、昨日一昨日とEMOBILEが圏外だったため、まとめて更新させて頂きます。
ただいま清里高原でございます。ゴールデンウィークの宿泊客がだいたい帰ってしまったようで、静かです。
それにしても、この「毒沢鉱泉」。すごい名前ですよね。
この温泉が発見されたのは今からおよそ450年ほど前、武田信玄公は金鉱山で怪我をした人びとの治療のためにこの温泉を使い、敵からこの温泉を秘匿するため、自ら「毒沢」とあたかも危険な場所のような名を付けひとを遠ざけたという説もあります。
諏訪湖の北側、諏訪大社の「下社(しもしゃ)」からさらに奥にクルマでおよそ20分。
2軒しか宿が無い「毒沢鉱泉」、そのなかで最も高い場所に位置するのがこの「神之湯」。
一応舗装はされていますが、狭くデコボコな山道を登りきったところにようやく旅館の建物が見えてきます。 坊主頭のどこか修行僧を思わせる風体の当主、とっつきにくい方かと思いきや、割と良く喋る快活な方でありました。
「あいにく満室で、ちょっと離れた建物ですみません…」と案内された建物は、この旅館でもっとも古い建物、本館から渡り廊下でつながる旧館でした。
それにしても、この旧館、迫力あり過ぎ。
ボロい温泉、好きなんですけど、ぼくの中のボロさランキングではかなり上位にランクインしそうな建物です。
通された部屋は、その名も「毒沢」。
他の部屋は「福禄壽」だの「毘沙門」だのめでたい名前が付いていますが、ぼくの部屋だけ、「毒沢」(笑)。「毒沢鉱泉」で「毒沢」とはいいじゃないの。広さわずか5畳、古いけれどキレイに掃除されていて好感が持てます。
あれ?でも鍵が…。南京錠なんですけどこの部屋。
「前のお客さんが鍵を持って帰ってしまって、外からだと鍵掛けられないんですよ。とりあえず、南京錠付けておきました」。道理でピカピカの新品の南京錠。
まあ、こういう秘湯は部屋なんでどうでもいいんですとりあえず寝られれば。
肝心なのはお湯です、お湯。
それでは夕飯の前にザブッとひとっ風呂浴びますか。
風呂は内湯のみ。どうも信州の古い温泉は露天風呂率低いような気がします。露天風呂好きなぼくとしてはちょっと残念。でも普通の建物の2階分くらいありそうな高い天井、そして大きな窓で解放感がある浴室です。
飲用泉があったので味見してみました。酸っぱく、ごくわずかに苦みが残ります。炭酸入れたら普通においしそう(笑)。
浴槽の湯は黄褐色に濁り、いかにも効きそうな様相。湯温も熱過ぎず、半身浴ならいつまででも入っていられそうなくらいです。満足満足。
予定より早く19時から夕飯になりました。
鮎の塩焼き、刺身の代わりでしょうか、スモークサーモン、寄せ鍋などなど。秘湯でこれだけの夕飯なら文句はないでしょう?
夕食後にこんどはゆっくりと入浴。23時で入浴終了となってしまうのが残念。
そして部屋に戻ると…。インターネットには接続できずやることがない(笑)。
外にはまったく灯りが見えず、そして何の音もしません。こういう夜は都会では味わえないものですよね。
ちなみに宿泊代は14,000円。南京錠の5畳の部屋が14,000円、高いと思う方も多いと思いますが(ぼくも内心ちょっと高いと思います…笑)、確かに近代化された温泉では味わえない、貴重な一夜でした。
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