あの忌わしい地震から1週間が経ちました。
ドタバタしていてあっという間の1週間でしたか?
それとも心配で心配で長く辛い1週間でしたか?
思えば先週の地震の前日、3月10日の木曜日はのんきに(まあほとんどのひとがのんき、とは言わないまでも、平穏な日々を過ごしていたでしょう)この冬最後のジビエを!なんて言いながら東麻布の「ラ・リューン」で夕飯を食べていたわけですよ。
その日の夜、「ラ・リューン」のディナーについてブログの前半をアップして、そこで通常のブログの更新がストップしていました。
たったの1週間なのに、もっとずっと過去のことのような気がしてなりません。
まだまだ余震の危険性や福島原発の事故による健康被害など心配のタネは尽きませんが、今日あたりから少しずつ通常の内容を書き綴っていきたいと考えています。
チョイと補足しますと、
・このまま日本、とくに首都圏の消費活動が低レベルで推移した場合、経済に深刻なダメージがある。
・特に心配なのは…。大企業ではなく、志高くベンチャービジネスを立ち上げられている企業や、大手チェーンではなく個性ある店づくりをしている独立系の飲食業や小売業のお店。
・被害の少なかったひとたちは早く日常の生活に戻り、仕事をしてお金を稼ぎそのお金を経済活動に投入することで、経済の沈下を防げるのではないか。必要以上の(あくまでも必要以上の、ね)自粛・萎縮は経済復興の妨げになるのではないか。
・そんな中で、ぼくができることと言ったら日常の生活、食べ物やレストランなんかの情報をオモシロおかしく書き綴ることではないか。
・これによって、外食を自粛している方々が「ああ、サイキは相変わらず夜な夜な出歩いて…まったくしょうもないヒトだな。でもワタシも今夜あたり、たまには飲みに行こうかな?」なんて思って頂ければ、と。
このような思いで、少しずつ普通の生活について書いていければと考えています。
そんなわけで、せっかくなので、ほんとうは地震の日、3月11日(金)のブログにアップしようと思っていた「ラ・リューン」のディナー、後半戦を。
この日はこの冬の最後のジビエを楽しもうというコンセプトだったので、予約時にお店に確認すると蝦夷鹿の煮込み、野兎の煮込みは必ずご用意できます、と。
そしてテーブルに着き、この日ジビエのラインナップを訊ねると。
・蝦夷鹿
・野ウサギ
・鴨
・ベキャス(ヤマシギ)
鴨とベキャスはローストだそう。
うーん。選べない。
なかなか食べられないベキャスか。
それともガツンと鹿か。
悩んだ挙句にこの料理に決定。
・長野県産野ウサギのロワイヤル
ウサギの調理法と言えばやはり王道の「ロワイヤル」。
ウサギのさまざまな部位の肉を使い、ソースもウサギからとった濃厚なソースを使ったこの料理、ジビエ好きにはたまらない一皿でしょう。完成までに数日を要する、たいへんな手間がかかる料理です。
ナイフを入れ、赤ワインとチョコレート、そしてウサギの血でできた濃厚なソースを絡ませて口に含むと…。
ウサギの持つ味わいが濃厚に凝縮された肉の旨味と、野生の血の香りが気品ある香りに昇華されているソースの香りにノックアウトされました。
素晴らしい!
野生と洗練の素晴らしいバランス。
この冬最後のジビエは最高の一皿でした。
そしてガルニチュールにこれまた香り高い野菜を別皿でたっぷりと。
満足なメインのあとは…。
・苺のサラダ 桜の香りのジュレ ヨーグルトのソルベ トンカ豆風味
トンカ豆と言うのはアフリカ産の豆で、香料にも使われる豆です。
実は我が家で使っているエステバンのルームフレグランスがこのトンカ豆を使ったもので、デセールに使うとどんな香りがするのかと興味深かったんですが、とても控えめな感じの使用だったので、正直良くわかりませんでした。もう少し勉強します…。
今夜のディナーは4,750円+1,575円(野ウサギのロワイヤル)。
素晴らしく良心的な値づけではないでしょうか。
もうそろそろ春のメニューに替わり始めています。麻布十番に足を運んだ際はぜひ。
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・店名 ラ・リューン
・住所 東京都港区東麻布2-26-16
・電話 03-3589-2005
・備考 麻布の良心。料理に安定感があります。
・オススメ ☆☆☆☆★(4点)
・関連記事 2010年11月26日「東麻布 ラ・リューン」
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