鰻の蒲焼きを頂いたので、家で鰻丼を作りました。作ったと言っても蒲焼きをレンジで温めてから、魚焼きグリルで焼いただけなので、作ったうちには入りませんね(笑)。
都内にも鰻の名店がたくさんありますが、鰻屋さんでは一度大失敗したことがあります。
数年前のことでした。ある日、友人と夕飯に行くことにしたんです。
夕飯なににする?たまには鰻なんてどう?ってな感じで、家にあったグルメガイド本を引っ張りだし、その中から家に近くて、評判の良い鰻屋さんを探して、行ってみたんです。
ガイド本によると、予算は1,000円〜。となっています。
店に到着すると、土曜日の夜だと言うのに、先客はなし。僕たち二人で貸切状態です。少しイヤな予感がしました。
頑固そうな親父がいくらの鰻を食べるのか、僕たちに訊きます。お品書きを見ると、いちばん安い鰻重が3,000円台。
おいおい、ガイドブックと違うじゃん、と思いつつも、仕方なくそのいちばん安い鰻重を頼みます。すると、親父が一言。
「それでいいの?いちばん安いのじゃ、ウチの鰻のウマさはわからないんだけどなあ」
「いや、それでいいです(じゃメニューに載せるなっちゅーの)」
不満そうな表情で厨房に消えていく親父。どうやらご飯を炊き始めたようです。
ややしばらくして、ふたたび客席に親父登場。今度は、鰻の調理がいかに深いものであるか、また自分がいかに過酷な修行を経ていまの腕を身につけるに至ったかの口上を聞かされます。
苦笑いと愛想笑いの入り交じった微妙な表情を浮かべながら鰻重の出来上がりを待つ我々。
そんな時間をなんとかやり過ごして食べた鰻重は…確かにウマい(正確に言うと、鰻が柔らかすぎて好みではない)。ウマいけど…。食べている最中も親父が横に立って「どうだ?ウマいだろう?」と訊いてきます。
「ご飯の一粒まで残さずに食べてくれ。そう、残ったご飯粒はお新香ですくってきれいに食べてくれ」
「…」
食後も親父だけは絶好調。
「また来てくれな」
「…はい(もう来ねーよ)」まあいろいろなお店がありますよねえ。
ちなみに家に帰ってガイドブックを見返すと、予算は「1,000円〜」ではなく「10,000円〜」となっていました。見間違えていました…。あんまりヘンテコな店載せないでくれ。
今日のミニ知識です。フレンチでも鰻を食材に使いますが、あちらで使う鰻は学名で言うと「アンギュラ・アンギュラ」。日本で蒲焼きに使うものは「アンギュラ・ジャポニカ」。種類がちょっと違うんですね。これらは「ウナギ目」。
で、台湾や中国で食べる「田鰻」はタウナギ目。実は違う魚なんですね。たまには役に立つLifeTeriaブログでした。
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