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冷たい雨が降る夜に向かったのは不動前。
不動前駅から山手通りに出て少し歩くと見えてくるフランス国旗と、トリコロールを模したかわいらしいキャセロールのショップサインが目印。
今夜のお店はこちら「サダキ・デリ」。
「サダキ・デリ」の梶原節紀(かじわらさだき)シェフは昨年末に逝去した関西フレンチ界の重鎮、和田信平シェフ率いる「シェ・ワダ」で修行後に渡仏、帰国後の2015年にいまの店舗の向かいに「サダキ・デリ」を開店。
ちなみに和田信平シェフの人となりについては「ミチノ・ル・トゥールビヨン」の道野正シェフのブログ「和田さんのこと」に垣間見ることができますので、ご興味ある方はぜひ。
オープンして間もなく人気店になった「サダキ・デリ」、評判は耳にしていたのですがなかなか趣の有った旧店舗時代は伺う機会がなく、この夜が初訪問でした。
店内は満席。
ぎりぎりに予約したのでラスト一卓をゲット。って感じでしょうか。
店内は賑やかでどのテーブルもなんだか楽しげな雰囲気。
初めての訪問だったので料理のポーションなどをマダムに訊くと「料理は多めですよ。うちは満腹食堂ですから!」との由。
うん、いいじゃないの満腹食堂。こう言うビストロ、好きですよ。
前菜はニース風サラダ、鴨の燻製サラダ、自家製リエット、ラタトゥイユなどなど、どれもこれもウマそうな料理が15種類ほどがラインナップされていて、選択に悩みます。
お得な盛合せのプレートも有りますので、まずは3種類選んでみましょう。
この日チョイスした3種類は以下の通り。
前菜の盛合せは2名で1皿でちょうど良いボリューム感。
まずはテリーヌ、肉の味わいが濃厚で食べ応えがあります。
キッシュも柔らかな甘さを湛えたなめらかなテクスチャに上質さを感じます。
爽やかな風味のクスクスのサラダも素朴だけど滋味深い味わい。
3種類の前菜だけでも、料理の力感の一端が感じられて今夜のディナーへの期待が膨らみます。
メインディッシュの前に前菜をもうひとつ。
おふたりでシェアされても十分ですよ、と言うマダムのアドバイスを無視して(笑)、ひとりにひと皿、頂きました。
頂くとこのムースがとにかく濃厚。人参や魚介の旨味の凝縮感が印象的です。
ウマいし、この手の前菜、大好物なんですけど、確かにボリューム的にはシェアしても良いくらい。
ひとのアドバイスはちゃんと聞いておくものですね(笑)。
メインディッシュは肉料理を豪勢にふた皿。
まずは仔羊。
ゴロゴロっとガルニチュールがあしらわれ豪快なビジュアルですが、実際に頂いてみるとレア感を残してローストされた仔羊の繊細な食感に驚きます。
シンプルですが仔羊の味わいを余すところなく引き出され梶原節紀シェフの確かな手腕を感じるひと皿。
そしてもうひと皿の肉料理は鹿肉。
頂いてすぐに笑みがこぼれるような味わい。
ああ、これこれ。こう言う料理が食べたかったんだよ。そんな感じ。
クラシックで王道的な料理がちゃんとウマいって、実に素晴らしいことだと思います。
きめ細やかな肉質でありながら鹿らしい味わいもしっかりしているフィレ肉と香ばしいパイ、そして重厚なソースが織りなすどっしりとした存在感の有るメインディッシュでした。
こちらも大ポーション。がんばって完食しました(笑)。
重量感の有るメインディッシュを頂いてもういい加減満腹だったのですが、デセールは別腹ですよね。ってことで。
こちらも飾り気のないビジュアルですが味わいは上質です。
料理は前菜からメインディッシュ、デセールに至るまでいずれも揺るぎない量感と芯の有る力強い味わいに満ちていました。
そしてマダムの「満腹食堂」と言う言葉に違わぬボリューム感。
こう言うビストロ、好きだなあ。
近いうちにまた再訪してみたいと思います。
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・店名 サダキ・デリ
・住所 東京都品川区西五反田3-14-6
・電話 03-6417-3676
・備考 特になし。
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この夜はちょっとした打合せ兼全員同い年と言うメンバーによる食事会で御茶ノ水へ。
訪れたのは同行の友人が前から興味があると言っていたこちら。
「グルマンズ」。
扉のガラスの奥に「うり坊」の毛皮がディスプレイされているのが見えるでしょうか?
ご存知の方も多いと思いますが「うり坊」とは猪の子ども。
その名の由来になっている「瓜」のような縞模様がわかりますね。
ほの暗い店内にも毛皮や狩猟道具が見えます。
「グルマンズ」のオーナである中里寛(ひろき)シェフは実はハンターでもあり、タイミングが合えばシェフ自ら狩猟したジビエを頂くこともできるのだそう。
それにしても「グルマンズ」と言うネーミングが良いですね。
ぼくは「グルメ:Gourmet…美食家」ではなく「グルマン:Gourmand…大食漢」を自認しているので、店名だけでわくわくしてしまいます。
この夜は12品からなる「極コース」(8,000円)をチョイス。
それではさっそく料理のご紹介、いってみましょう。
「セルヴェル・ド・カニュ」とはフロマージュ・ブランに生クリームを混ぜ、そこにハーブやにんにくを加えた料理。
これを自家製のポップオーバーに付けて頂くと…これは止まらなくなりますね(笑)。
林檎の甘さとブルーチーズの刺激がよくマッチしていて美味。食欲を刺激するひと皿。
奥から時計回りに…。
アライグマは人生で初めて、かも。このリエット、実にコッテリしていてウマいのです。
そしてジビエのパテ ド カンパーニュ。使われている食材は鹿、猪、アナグマ、ヒグマ。
このパテ ド カンパーニュも味わい深く力強いひと品でした。
冬鹿ですがさっぱりとしたヴィネガーの風味のせいでしょうか、思いのほか軽やか。
この日のポタージュは安納芋を使ったもの。
安納芋の甘さとスープの熱々の温度感が真冬の夜に嬉しいですね。
そしてこちらも熱々のひと皿。
クリーミーなポテトの下にはヒグマのミートソース。
ヒグマ?と聞くと身構えてしまう方も多いともいますが、年末に頂いたヒグマも絶品でしたし、このアッシュパルマンティエのヒグマも味わい豊かで美味でした。
メインディッシュの肉料理、ひと皿目はロティにした猪。
どんな食肉でもオスとメスでは肉質に違いが有ると思いますが、猪の場合は秋から冬にかけてのメスが最上とのことで、オスに比べて肉質のきめが細かく、癖も少ないそうです。
こちらの料理は味付けもシンプルですが、癖らしい癖もなく非常に上品な味わい。
しかし豚肉より力強いと言いますか、濃厚な旨味が感じられるところが良いですね。
そしてアナグマ。
アナグマは実に味が良くて、日本に棲息する獣の中で一番ウマいなんて言うひともいる、と、ずいぶん前に聞いて興味を持っていた食材なんですが、そもそもアナグマってどんな動物か良くわからないですよね。
アナグマは本州、四国、九州などの里山に棲息するイタチ科の動物で、その名の通り地中に巣穴を掘って暮らしているそうです。
「同じ穴の狢(ムジナ)」と言う成句が有りますが、Wikipediaでその「狢(ムジナ)」の項を見ますと「ムジナ(貉、狢)とは、主にアナグマのことを指す」と有ります。
前菜のパテ ド カンパーニュにもアナグマの肉が使われていましたが、このポワレはアナグマそのものなのでわくわくしながら頂いてみました。
冬眠前のアナグマだったようで、脂身もたっぷり付いていましたが、このプリッとした脂身が美味。
肉質はやや噛みごたえが有りますが、噛み締めるとアナグマの旨味が堪能できます。
噂通りなかなか美味な食材でした。
そして意表を突く〆めカレー。
そう言えば神田〜御茶ノ水界隈ってカレーの名店が多いですよね。
そんなカレー激戦区のビストロのカレー、こちらもやはり本格派でした。
もう先ほどのアナグマまでで腹いっぱいだったので、ぼく以外のメンバーは半人前でオーダ。
ぼくは…もちろん一人前頂きました(笑)。こう言うことをしているから太るのですよね。反省。
濃厚なジビエの味に呼応するような濃厚な味わいのプリン。
素朴ですが滋味深い味わいです。
「グルマンズ」、初訪問でしたが店名に偽りなく、グルマンな方、特に肉好き、ジビエ好きのグルマンにぴったりのレストランでした。
ジビエだけでなく店内で熟成させた牛肉、豚肉なども評判らしいので次回はそちらも試してみたいですね。
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・店名 グルマンズ
・住所 東京都千代田区神田淡路町2-23
アクセス御茶ノ水ビル 1階
・電話 03-3526-2266
・備考 特になし。
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すっかりお屠蘇気分も抜けてみなさま既にお仕事モードかと思いますが、新年一発目のブログは昨年末の忘年会の食事から。
2022年の年の瀬、最後の最後にウマいもの食べて2022年を締めくくろうじゃないの、と言うわけで向かったのは東銀座。
昭和通りの東側にはいにしえの地名を冠した「木挽町通り」と言う通りが有るのですが、その通りを築地側から「清月堂本店」を目印に入り、料亭「松山」(ここ、政財界の大物が足を運ぶ有名な料亭なんだそう)のお向かいあたり。
建物の外から階段を降りて、ガス灯を模した風情のある灯りの奥に見えてくるレストランがこの日のお目当て、「ラ カーヴ デ ランパール」。
「ラ カーヴ デ ランパール」は「カーヴ(cave)=ワイン貯蔵庫」と店の名前に謳う通り、豊富なワインを楽しめるワインバー。
なのですが、ぼくたちが楽しみにしていたのはその料理。
「ラ カーヴ デ ランパール」の現在のシェフは湯澤貴博氏。
湯澤シェフの料理に出会ったのは2004年の暮れでした。
湯澤シェフはその当時表参道の「レストラン アンフォール」の新進気鋭のシェフとして話題になりつつあり、その噂を聞きつけて訪問したぼくたちも、すぐにその料理のファンになったのでした。
当時のスペシャリテ、アヴォカドとオマールのコンソメジュレを頂いてはこんなウマい前菜が有るのか?と驚き、鹿や山鶉、仔羊などの肉料理の力強さと洗練に感動したものでした。
それにしてもそれがもう20年近く前になるということに驚きますね。
「ラ カーヴ デ ランパール」の料理はコースに仕立てて頂くこともできるのですが、この日はアラカルトメニューから同行者と料理を選んでみました。
まずはアミューズとしてこちら。
ブーダンノワールはフランスの伝統的なシャルキュトリの一種で、豚の血を使ったソーセージですね。
「豚の血」と聞くとちょっと身構えてしまうひともいるかもしれませんが、もちろんこちらのブーダンノワールは雑味なくコクのある旨味に満ちています。
この夜はメインディッシュに肉料理を2皿と言う構成にしたので、前菜は魚介系からチョイスしてみました。
前菜のひと品目はこちら。
鰆はデリケートに燻製して香ばしさを纏わせ、レア感を残した絶妙の火入れにとどめています。
ロックフォールチーズを使ったソースは思いのほか優しい味わいですが、ロックフォールの独特の香りが料理を引き締めていますね。
クレープ ボナシェンヌは生地にじゃがいもを使ったクレープ。
浜名湖、と聞くとついつい鰻を思い浮かべてしまいそうになりますが、実はハゼも浜名湖の秋冬の名物なんだそうで。
ハゼと言えば天ぷらくらいしか食したことがなくあまり馴染みのある食材ではなかったのですが、味わいは淡白で実に上品でした。
そして繊細で優しい味わいの印象を一変させるアクセントとして塩いくら。この塩いくらが良いですね。
そして前菜のトリは同行の友人からのリクエストで牡蠣を使った料理。
ほとんどの食材に好き嫌いはないのですが、牡蠣は自分から好んで食す食材ではありません。
なので、自分だけだったらこの料理を選ばなかったと思うのですが、結果としては友人に感謝することになりました。
この料理、半世紀以上生きてきて、人生でいちばんウマい牡蠣でした。いや、大袈裟ではなく。
牡蠣の濃厚な旨味と華やかな香りのフランボワーズのヴィネガーが相まって実に滋味深い料理に仕上がっていました。
下野(しもつけ)の甘みと旨味のバランスが取れた葱もこの牡蠣に負けない存在感です。
いや、牡蠣ってウマイなあ(笑)。
そしてメインディッシュのひと皿目。
この日のいちばんの驚きがこの料理でした。
カルボナードとはベルギーの郷土料理で通常は牛肉をビールを使って柔らかく煮込む料理。
熊も人生で何度か頂いた記憶はありますが、旨味こそ強いものの、そこはそれ、やや野趣が強いと言いますか、癖も感じたものでした。
しかしこちらで頂いた熊、食材を教えられずに口にしたのであれば、熊の肉と言い当てるのは難しいかもしれません。それくらい洗練されています。
強いて言えば牛肉に近い食感、味わいでしょうか。
しかしただ洗練されているだけかと言えばそうではなく、バラ肉と言うこともあり旨味の強い脂身で力感あふれるひと皿。
実に素晴らしい肉料理でした。
メインディッシュのふた品目は仔羊。
仔羊を使った料理は湯澤シェフの作る料理のなかでもぼくが特に好きなものなので、メニューに仔羊が有ったことを確認し迷わずチョイス。
レストランで料理を頂く楽しさっていろいろ有って良いと思うのですが、その本質はやはり料理を食べてそのウマさに感動するところに有ると思うのですね。
もちろん日本で頂くフレンチ、決してお安いお値段の食事ではありませんから、ビジュアルの美しさやプレゼンテーションも大切な要素ではありますが、口にしてああウマいなあ、と思えるような料理自体の味わい、力感がぼくにとっては大切なのです。
調理の技法やテイストこそ変化すれど、湯澤シェフの肉料理に一貫しているのはその味わいの力強さ、芳醇な香りでしょうか。
この夜の仔羊のローストでもそれは変わらず、絶妙な火入れによって仔羊の味わいがあますところなく引き出された力感の有るひと皿はフレンチを頂く楽しさに溢れていました。
意表を突かれたのがガルニチュールの秋刀魚と茄子。
主張の強い秋刀魚が肉料理のユニークなアクセントになっていました。
こちらは湯澤シェフではなく「ラ カーヴ デ ランパール」のスタッフ、見上さんの手によるデセール。
金柑のコンポートを添えたショコラのテリーヌは滑らかなテクスチャと濃厚なショコラの香りが印象的な、上等なデセールでした。
コロナ禍でかつてのようにレストラン巡りができなくなり、すっかり外食の頻度も低くなってしまった昨今ですが、久しぶりに湯澤シェフの料理を頂いて改めて思ったのは、ウマい料理ってほんとうにウマいし、ステキなレストランで料理を頂くのはとても楽しい、と言う極めて当たり前のことですが、最近すっかり忘れかけていたことでした。
2023年は今までより少し外食の機会を増やして素晴らしい料理との巡り合いを楽しみたい…この日のディナーはそんな気持ちになるような、食べる楽しみに満ちたものでした。
間違いなく2022年で最高の料理、一年の良い締めくくりになりました。
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・店名 ラ カーヴ デ ランパール
・住所 東京都中央区銀座7丁目15−5
共同ビル 地下1階
・電話 03-6228-4885
・備考 火曜~土曜は26時ラストオーダ
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この日はまたしてもグルメな友人のご招待で「荒木町たつや」のプラチナシートの末席に加わらせて頂いたのでした。
飲食店が軒を連ねる「車力門通り」をぶらぶら下り、金丸稲荷神社の脇の細い路地を進むと見えてくる「荒木町たつや」の暖簾。
「荒木町たつや」のご主人の石山竜也氏はかの名店「神楽坂石かわ」一派の出身。
この荒木町で「荒木町たつや」として独立したのが2017年、程なくして予約が取れない人気店となってしまいました。
本日のひと品目は毛蟹と湯葉、そして梨の菊花餡。
彩りも華やかで今夜の料理への期待に心が踊るひと皿。
この夜の椀種は甘鯛と十種類以上のきのこ。
甘鯛の濃厚な旨味ときのこの秋の香りが調和しています。
お造りは右から真鯛、クエ、松皮鰈。
クエはもっちりとした弾力感のある食感が印象的。
そして高級魚として知られる松皮鰈はいまが旬、あっさりとしていながら滋味深い味わいはさすがです。
金目鯛と緑と赤、二色の万願寺唐辛子。
添えられた花椒の若芽がユニークなアクセントです。
そしてこの日の白眉がこちら。
くまもとあか牛「阿蘇王」の炊合せ。
この「阿蘇王」の香りの良さに陶然。和牛らしい華やかな香りと旨味に負けない出汁の力強さも印象的です。
阿蘇王の旨味をたっぷり湛えた出汁は雑炊に。
この日の料理もいつも通り端正で拡張高い素晴らしい料理でした。
超人気店ゆえ次回の訪問はだいぶ先になってしまいそうですが、次の訪問が今から楽しみです。
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・店名 荒木町たつや
・住所 東京都新宿区荒木町10
タウンコートナナウミ 1階
・電話 03-6709-8087
・備考 予約は月初営業日の正午より電話にて受付。
・参考記事 2022年04月26日「荒木町 荒木町たつや」
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もういい歳なので隠居ポジションでのんびり仕事をさせて頂きたいのですが、ここ数ヶ月若いころのように深夜まで働かさ…いえ、働いていて、なかなかゆっくり夕食を楽しむことができていませんでした。
そこでひさしぶりに友人たちとちょっとウマいものを食べに出かけることにしたのです。
この日のメンバーはことし1月に恵比寿の「P」と言うステーキハウスを訪問したときとほぼ同じ面子。
詳しくはその日のブログをご覧頂きたいのですが、その「P」が稀に見るレベルのがっかりレストランで、その日の別れしなに、そのうちステーキハウス、リベンジしようね?と言い合って帰路に着いたのでした。
と言うことは?と言うことは?
このメンバーで行くならステーキハウスしかないでしょう。
で、訪問したのがこちら。
六本木一丁目、泉ガーデンの「BLT STEAK ROPPONGI」。
ちょうど周年記念で通常は19,500円のTボーンステーキが5,000円OFFになっているのを友人がめざとく見つけてくれたので、いつもよりちょっとお得にTボーンステーキを頂いちゃおうと言う魂胆です。
こちらはBLT名物のポップオーバー。
写真だと大きさが伝わりづらいかもですが、おとなの拳ふたつ分くらいの大きさです。
なんども「BLT STEAK」を訪問しているメンバーから「コレをウマいウマいと調子に乗って食べて、いざステーキが来た時に腹いっぱいでふうふう言いながらステーキを食べる羽目になったヤツをたくさん見てきた」と言う忠告を受けた危険な食べものです。
ぼくですか?
もちろん前菜のタイミングからウマいウマいと食べ進みお代わりまで頂きましたけど(笑)。
前菜は魚介から2種類。
シュリンプカクテルの海老はなかなかの大きさでしたが、身はちょっと硬めで味わいも凡庸。
でも香りの良いカクテルソース、これは良いですね。
マグロのタルタルはキューブ状に美しく積層されていてなかなかフォトジェニックだったのですが、崩すと普通のタルタルになっちゃいますね(笑)。
前菜はもうひと品。
サラダは定番のシーザーサラダでも良いかな、と思ったのですが、結果としてはこのサラダが大正解。
ちょっとスモークの風味を付けたドレッシングが良かったです。
そして前菜を食べ終わるとちょうど良いタイミングでステーキが卓上へ。
Tボーンステーキの焼き加減はミディアムレア。
選べるソースは「レッドワイン」、「ブルーチーズ」、「ペッパーコーン」、「チミチュリ」の4種類。
ドライエイジングされたUSプライムビーフはまずその熟成香で食欲を刺激してくれます。
熟成香を楽しんだあと、まずはサーロインから頂いてみます。
かなりじっくりと熟成を掛けているようで、旨味の凝縮感を感じますね。
火入れの具合も程よく、900℃以上の高音で焼き上げると言う表面はカリッと香ばしく、芯は美しいロゼ色に仕上がっています。
一方フィレはぼく的には少しあっさりし過ぎの印象。サーロインのほうが良かったですね。
あとオニオンリング。
好きは好きなんですけど、こちらのものはちょっと揚がりが重たくて腹に来ますね。
まあぼくがポップオーバー食べ過ぎたと言うこともあるのですが(笑)。
30分前の自分に忠告してやりたいですね、ポップオーバーは食べ過ぎるな、と(笑)。
だいぶ腹いっぱいですが、ここはアメリカ人になった気持ちでデザートもがんばりましょう。
タルトタタンが有るなんて良いですね。
デザートはこれぞアメリカン、と言う風情ではなくて、味わいもビジュアルも上品なテイスト、洗練された印象を受けます。
いずれも美味でした。
お支払はTボーンステーキの5,000円OFFが有ったのでひとり2万円弱。
立地、雰囲気、そしてステーキのクオリティを総合するとまずまず満足感の有るプライスではないでしょうか。
そのうちまた例のポップオーバーを食べに伺いたいと思います(笑)。
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・住所 東京都港区六本木1-6-1
泉ガーデン 5階
・電話 03-3589-4129
・備考 特になし。
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この日は仕事帰りにちょっとした打合せも兼ねて東京駅近辺で友人たちと夕食を頂くことにしたのでした。
現在、東京駅の日本橋口前に位置する大手町二丁目常盤橋街区では「TOKYO TORCH(トウキョウトーチ)」と名付けられた再開発プロジェクトが推進中で、日本一の高さを誇る地上63階建て高さ390mの「Torch Tower」の建設計画が発表され先日話題になりました。
この日は同じ「TOKYO TORCH(トウキョウトーチ)」のエリアに2021年に竣工した「常盤橋タワー」を初訪問。
こちらは「Torch Tower」より小ぶりですが、それでも地上40階建て高さ210mと言う威容を誇ります。
そして訪れたお店がこちら。「BRIANZA TOKYO(ブリアンツァ トウキョウ)」。
奥野義幸シェフ率いる「la Brianza」がまだ麻布十番に在ったころ、友人たちが「la Brianza」のファンで、当時その料理の評判は良く耳にしていました。
そのようなわけで、一度は訪問したいと思っていたものの、こちらの「BRIANZA TOKYO」も含め「Brianza」グループのリストランテを訪問するのはこれが初めて。
この日は乾杯のドリンクが付いて5,000円(税込)と言う激安コースをチョイス。
しかし、東京駅のド真ん前、最新のランドマークのなかと言う立地で5,000円、しかも税込でドリンク1杯付き。
これ…安過ぎではないでしょうか。
安過ぎて逆に不安になります。
案内されたダイニングは天井が高く開放的でリゾートの遊び心が感じられるインテリア。そして窓からは東京駅のビル群の夜景。
なかなかステキ…なのですが、テーブルの上にはタッチパネル式のタブレット端末。
確かに某大手グルメサイトでは自ら「次世代ファミレス」と名乗っていますが、それにしても、ねえ(笑)。
友人たちが到着するまでタブレット端末をいじりながら、ますます不安感にさいなまれるのでした(笑)。
前菜はこちらから。
この上なくシンプルですが、その生ハムのクオリティはコースの前菜にふさわしいクオリティでした。
奇を衒うことなくストレートに素材勝負と言う意気込みが感じられます。
ブラータチーズも最近はすっかりお馴染みの食材になりましたが、このブラータチーズも前の皿の生ハム同様、なかなかのクオリティでした。ウマいですね。
ここまで頂いてようやく食前の不安感も払拭されて少し安心できました。
このコース、悪くないかもよ?
前菜の3皿めは温かい料理。
こちらは奥野義幸シェフのスペシャリテとなるひと皿。
この価格帯のコースにもスペシャリテ、しかもトリュフを使ったひと皿を組み込んでくれるのはうれしいですね。
パスタはバジルを使ったスパゲティとボロネーゼのペンネ、2種類から選ぶことができます。
ぼくのチョイスはこちら。
「BRIANZA TOKYO」、ランチタイムのカジュアルなコースのパスタもウマいと聞いていたのでちょっと楽しみだったのですが、期待にたがわずこのパスタも良かった。
艶やかでハリの有るスパゲティの食感、香り高いバジルペースト、BRIANZAの名に恥じない上質さでした。
「BRIANZA TOKYO」のコンセプトは「炭火焼ラテンイタリアン」。
セコンドは「真鯛のジョスパー焼き」と「岩中豚の炭火焼」と2種類の炭火焼の料理から選ぶことができます。
どちらも魅力的ですがこの夜は岩中豚をチョイスしてみました。
シンプルですが岩中豚の旨味と「火」の力強さが感じられるぼく好みのセコンド。
コースにはドルチェも含まれています。
さすがにカフェ類は別料金でしたが、いや、すばらしいコストパフォーマンスではないでしょうか。
食前の心配は杞憂に終わりました。
ご覧いただく通り、ポーションは控えめ。ぼくたちのようなガッツリ系大好き男子ですと、その点で少し物足りなさを感じることは有るかもしれませんが、このお店を訪問するほとんどのかたは満足できるボリューム感だと思います。
良い意味で予想を裏切られる、驚きのコストパフォーマンスに大満足。
東京駅界隈でカジュアルだけど本格的なイタリアンが食べたいときにオススメできます。
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・店名 BRIANZA TOKYO(ブリアンツァ トウキョウ)
・住所 東京都千代田区大手町2-6-4
常盤橋タワー 2階
・電話 03-6262-7862
・備考 特になし。
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北海道ツアー2日目。
あいにくの雨模様の天気となってしまいましたが、せっかくなので美瑛方面までドライブ。
有名な「青い池」も訪問。雨だとあまり青く見えないと言う事前情報だったので期待はしていなかったのですが、いやいや、雨でも神秘的でした。こんなに青いんですね。けっこう感動します。
この日は3連休の中日と言うことで美瑛付近の人気レストランは軒並み満席。
なので、美瑛からは少し離れていますが、予約せずに入れる星野リゾート トマムのなかのレストランでランチを頂くことに。
訪れたのは星野リゾート トマムの「ホタルストリート」にある「カマロ・ステーキダイナー」。
ランチタイムには北海道牛100%のハンバーグなどをリーズナブルな価格で頂くこともできるのですが、せっかくなので竃で焼き上げるステーキを頂くことにしました。
1,620円を追加すると前菜、ガーリックライス、スープ、デザートがセットになります。
こちらは前菜。
そしてお待ちかねのステーキ。
さすが北海道のステーキハウス、蝦夷鹿が有りました。
ポーションは150g、300g、450gと選べますが、ステーキはもうひと品オーダするつもりだったので150gに自重、です。
「カマロ・ステーキダイナー」のステーキは竃でレアに焼き上げ、鉄板にセットされたペレットであとはお好みで焼き加減を調整するスタイル。
しかしペレットは使わないでも下の鉄板の余熱だけでちょうど良い感じ。
蝦夷鹿はあっさりと上品な味わいでした。
ステーキはもうひと品。
「カマロ・ステーキダイナー」のグランドメニューにラインナップされているステーキはブランド牛だけで3種類。
北海道を代表する黒毛和牛である「白老牛」、日高地方で特産の昆布を食べて育った黒毛和牛「こぶ黒」、そして北海道の東部、釧路湿原の程近くの標茶町(しべちゃちょう)で肥育される「星空の黒牛」。
これは悩みますね。
そしていずれもお値段はさほど変わらないので余計悩みます(笑)。
この3種類ですと「星空の黒牛」だけが交雑種となりますが、今回はあえてこの「星空の黒牛」をチョイス。
あえて、と書いたのは、実はこの日の夜は既に札幌に戻ってフレンチを頂く予定にしていたので、ランチのステーキは少し軽やかにしておきたかったから。
狙いはバッチリでした。頂いてみるとサシのきめ細かさと香りは程良く重すぎず、赤身とのバランスも好ましいもので、この「星空の黒牛」、気に入りました。
こちらもセットのひと品。
ステーキはいずれも良かったのですが、ガーリックライスはなぜか妙に甘ったるい味付けでせっかくのステーキの良さをスポイルしていました。これだけが残念。
今回は駆け足での訪問になってしまいましたが、ほんとうはゆっくり滞在して、その合間にゆるりと来てみたいようなレストランですね。
時間を忘れてひねもす何もせず、昼にはハンバーガー、夜にはステーキを頂く。1週間くらいそんな生活をしたいものです(笑)。
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・店名 カマロ・ステーキダイナー
・住所 北海道勇払郡占冠村中トマム
星野リゾート トマム ホタルストリートC棟
・電話 0167-58-1111
・備考 予約は不可となります。
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